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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2023年7月31日月曜日

美しい風景を見て、私たち日本人の心構えについて考えました。

 先週末、BS番組『青木崇高と岸井ゆきのがアルプスの大自然を巡る旅 第一日目の旅』を観ました。


アイガーの麓に広がる牧草地や草原をトレッキングした岸井さんの一日目のゴール地点、神々の領域である氷壁の岩峰と、麓に人の手によって開かれた牧草地や草原が広がり、その中心にグリンデルワルト村を望む、この絶景を観て岸井さんが微笑みながら語った言葉に、私は胸を打たれました。


(人が自然と)共存している・・・、人間の方に心構えがないと、こうはならないですね


岸井さんは、心構えという言葉で、この旅で感じ取られた、この地で暮らす人々の誇りと覚悟を表現されたのだと思います。


でもこの世界には牧歌的な風景、天国の様な風景とは真逆の、ミサイルや爆撃によって無慚に破壊された町が広がる風景、地獄の様な風景が、悲しい事に、日を追う毎に広がっている現実を私たちは知ってもいます。


昨年の2月24日に、ロシア軍による隣国ウクライナへの唐突な軍事侵攻は、真に地獄の様な風景です。そして、それは、今も、日々、悲しい事に、続いています。

ロシア軍による軍事侵攻は、全く以て人命や文明を蹂躙する無差別攻撃、無差別殺戮です。


でもこのロシア軍によるウクライナ軍事侵攻は、ヨーロッパ諸国の、特に東ヨーロッパ諸国の人々の、心構えの有り様を、観る、知る、事が出来ました。

ヨーロッパ諸国は、特に東ヨーロッパ諸国は、ウクライナ軍事侵攻によって命の危険が迫り、列車で、車で、徒歩で、隣国に逃れようと国境に押し寄せる数百万のウクライナの人々を、迅速に温かく受け入れました。

東ヨーロッパ諸国は、西ヨーロッパ諸国の繁栄から何世紀も取り残されてきましたが、ソ連の崩壊によって、ソ連の支配から解放され、EUの一員としてこの三十年、デモクラシーを実践しながら歩んできました。そして、豊かに安全に自由に生きる事を享受することが出来る様になりました。

一方で、数世紀に及ぶロシアの脅威は、ソ連が崩壊して後も、失せる事はありません。ロシアへの懐疑は失せず、ロシアに支配され蹂躙された記憶も失せる事はありませんでした。


それがヨーロッパ諸国、特に東ヨーロッパ諸国の人々の、国を超えた連帯と人道行為に繋がっているのだと思います。


では、私たちの国、日本はどうでしょうか?

ロシアのウクライナ侵攻と同調する様な、中国による台湾侵攻が、差し迫った脅威として、テレビで連日報道され、政府は日本への脅威に対抗するための抑止力となる武力強化を着々と推し進めています。

そう、どこか台湾有事は、日本有事にすり替わり、台湾侵攻は、他人ごとの様に語られています。私たち日本人もどこか他人ごととして聞いている様に思います。

もし、万一、明日にも中国軍による台湾侵攻が始まれば、命の危険が差し迫った中華民国の多くの人々が、近隣の島国、そう日本へ、飛行機で、船で、押し寄せる事になるでしょう。


その、もしかしたら数百万にも及ぶ避難民を、私たち日本人は迅速に温かく受け入れる心構えが出来ているでしょうか?

私は、この事を何よりも先ず、国会で議論し、すべての日本人を巻き込んで、日本人が取るべき人道を探り、世界の国々に示す事が大事だと思います。

武力の強化や連帯以上に、国家を超えた人々の人道の連帯こそが、一番の抑止力となるのではないでしょうか。

そしてそれは、中国の人権や人道に心ある多くの人々との連帯に繋がって、それが中国政府に軍事侵攻を思い止まらせる抑止力となるのではと思います。


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