播磨の国ブログ検索

映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2017年5月20日土曜日

もう一つの「美女と野獣」の物語

昨日の金曜ロードショーは「美女と野獣」でしたね。大ヒットしたディズニーアニメーション作品とばかり思っていましたが、観ると実写映画でした。

ディズニー版の絢爛豪華なミュージカル仕立てではなく、誰もが記憶する主題歌もありませんでしたが、でも絵画とみまがうほどの美しい映像と、ダークさ漂うおとぎの世界の妖しさ、そして何よりフランス映画ならではなのでしょう、ヒロインが魅力的で、夢心地の観賞となりました。

ディズニー版では、父の身代わりで囚われの身となったベルと野獣の姿に貶められた傲慢な王子が、心を通わすまでの下りが物語の中心でした。でも今作品は、囚われの身となったベルが、魔法の鏡に映し出される王子の悲劇を追体験し、やがて王子の悲しみと優しさを理解して愛情に目覚める下りが、物語の中心として描かれていました。
なにびとも通さぬ茨で覆われた森、バラに包まれた王子の館、ベルが夢の中で度々出会うこの世のものでない魔法の鏡、そして鏡に映る王子と森のプリンセスとの悲劇、ベル親子を苦しめ、またバラの館を荒らす悪漢に鉄槌を下す森の神の畏敬さ、等々、美しい見所が満載でした。そして何より、森のプリンセスやベルの美貌と豊満さに魅了されました。

物語は、絵本を子供の寝かしつけに読み聞かせる優しい母の声で進行します。そして、王子が人間の姿に戻ったところで読み聞かせは終わり、母は絵本を閉じて子供部屋から退出します。子供部屋の燭台には、ベルがバラの館で不思議な生き物から貰ったベルを象った人形が飾られていました。ベルは戸口で居眠りをする父にキスをしてから、生業とする花屋で売る美しいバラを育てる愛する夫の元に飛び出します。ベルと王子は、悪夢を乗り越え、プリンセスのバラを大切に育て続けていきました。fin

2014年のフランス映画でした。フランスで古くから語り継がれる「美女と野獣」の寓話に沿って描かれた物語で、これまで知らなかった、もう一つの「美女と野獣」の物語でした。額に飾っていつまでも眺めていたい絵画の様な風景が、幾つも心に刻まれました。

0 件のコメント:

コメントを投稿